この週末は家族で、広島県尾道市内にある真言宗醍醐派 総本山の西國寺へ行きました。
健脚や健康のご利益で有名なお寺で、以前から息子の体調がくずれがちだったことから今年の春の終わり頃、息子の健康祈願のために夫と娘、私の3人で訪れました。
息子は体調が悪く参拝出来なかったので、いつか息子本人を連れて行きたい!とずっと願っていました。
この度やっと叶いました。
前回は参道が分らず駐車場からいきなり境内に入ってしまったので、今回は長い階段を下から登る参道から入り、ご本尊のお薬師さまがおられる金堂にまず手を合わせ、皆で家族の健康を感謝しました。
それから境内をゆっくり見て回り、ろうそくとお線香が置かれている場所ではそのたびにお灯明とお線香をお供えして手を合わせました。
歩いているうちふと足がとまりました。
何だろう・・・このまろやかな境内の雰囲気。
呼吸が深くなると言うか。
気持ちがまあるく収まるみたいな・・・
今日は雲が出ているにしてはやや日射しが強く汗ばむぐらい。
あちこち歩いて喉も渇いてきました。
境内の梅の木からとれた実を使ったソーダ水が売られていたので、それで喉を潤して(非常に美味)前回行ってない場所を巡ろうと、そこから少し上に上がった所にある三重塔へ向かいました。
三重塔は何かの工事をしているのか業者さんが何人もおられたので、中には入らず外から建物を眺めることに。
見ると、建物のそばにまだ上に行く道があり
「九頭龍権現」
と書かれた看板がありました。
看板の指す方へ行くと、小さな石の祠が。
龍神さま・・・?
と思いつつ、私と娘はそこでも手を合わせました。
すると
それまで出ていた日射しが雲に覆われ、急に雨がパラパラと落ちてきました。
風も吹いてきました。
と、こう書くといかにも・・・なニュアンスですが
雲が出てきて雨が降って風が吹き始めたところで九頭龍権現さまの祠に手を合わせた・・・のかもしれません。
とにかく、「いかにも」
な天候になったところで、そこを降りて夫と息子が待っている先ほどの三重塔のところへ戻りました。
息子が木の中にウマオイがいると言うので私も見ようと近づくと、やはりというか逃げずにじっと木に止まったままです。
最近の生き物は人間が近づくことに鈍感になったのかしらん・・・と思いつつスマホで撮ってからさらに見ようと近づくと、さすがに飛んで行きました。
(何だか安心しました)
寺務所のある境内に戻り、私は息子へのご加護をさらに願いたいと思い、お守りを以前既に購入したけれど、せっかく遠くから来たことだしまた購入しようかと窓口の方に相談することにしました。
以前こちらで息子の健康のご祈祷をお願いした者です。
その際お守りを買わせていただきましたが、今回も購入しようかと迷っております・・・
窓口の方は物腰の柔らかな年配の女性で、最初にこにこと私の話に耳を傾けてくださいました。
が、
私が話し終えた後、突然眉間の辺りがピシッと光ったような気がして、ハッとその目を見ると厳しい眼差しになり
「ご祈祷をされたのならお守りを買わずとも、あちらの金堂のお薬師さまに健康のお願いをなさいませ。
それで十分です。」
きっぱりと言われました。
その言葉と女性の様子に、一瞬私は雷に打たれた思いでした。
見えぬけれども祈りは力。
願ってこそのもの。
既に持っているというのに、さらに
お守りという目に見えるものを当てにしようとしている私の心を、この寺務所の方に諫められたように思いました。
それにしても、あの柔和な表情が一瞬で凜とした厳しさに変化されるとは・・・
畏敬の思いで胸がいっぱいになりました。
お礼を申し上げてそこを離れ、家族で再び金堂の前で無病息災のお願いを改めて祈らせていただきました。
いつの間にか風がそよそよとふいて秋らしい日射しも戻り、家族4人西國寺を後にしたのでした。
参道の階段を下から撮影。
晴れているけれど雲が多い空でした。
奥の山門にご祈祷のわらじがずらりと奉納されています。
最初の階段を上りきったところ。
風が気持ち良かったです。
階段を登りきって。
真ん中の建物が不動堂。
癒やされる空間。
外から三重塔を眺めて。
室町時代に創建されたもの。
「万人恐怖」と称された第六代将軍 足利義教も建立に関わったとのこと。
ウマオイ。
擬態が見事でなかなか見つけられませんでした。