旅館の駐車場に入る時、大きな石造りの鳥居と松の木が両側に植えられた神社の参道が目に入りました。
拝殿の屋根も上の方だけ見えます。
夕暮れの空と雲をバックにしたその景色は一瞬
怖い
と感じられるほど厳かな雰囲気。
その風景を目に収めつつ、明日朝早くお詣りしようと夫と話をしながら宿に入りました。
天然温泉と美味しい料理でくつろぎ、日頃の暑さと疲れをやっと癒やすことが出来ました。
夜は雷が光って絶えずゴロゴロ音がして雨が夜半に強く降り、暑さもこれで少しは和らぐだろうと思いました。
翌朝6時前にお詣りしました。
ご祭神
伊邪那伎日真名子(いざなぎのひまなこ)
加夫呂伎熊野大神(かぶろぎくまのおおかみ )
櫛御気野命(くしみけぬのみこと)
「伊邪那伎日真名子」とは国生みを始めて生きとし生けるものを生かし、その主宰の神をもお生みになられましたイザナギノミコト・イザナミノミコトの可愛がられる御子の意です。
「加夫呂伎」とは神聖なる祖なる神様であります。
「熊野大神櫛御気野命」とは、この熊野に坐します尊い神の櫛御気野命という意です。
この御神名は素戔嗚尊(スサノオノミコト)の別神名であります。
朝早いまだ薄暗さが残っている中、空はすっきり晴れ渡り雨の後で涼しい風もそよそよと吹いています。
早朝の神社は実に爽やか。
思いっきり深呼吸を繰り返し、鳥居の前でお辞儀をして中に進みました。
拝殿が見えてくると、心が震えてきました。
凄いご神気。
拝殿で手を合わせると頭のてっぺんと両手がジンジン痺れてきます。
これは一体どうしたことだ??
背後で車の音がして振り向くと、関係者の方が車から降りた後鍵をあちこち開けて回っていました。
朝早くからありがとうございます・・・
心の中で申し上げて、境内の中を順に巡っていきました。
拝殿の横の授与所はまだ閉まっていてそのお隣は伊邪那美神社。
夫と頭を下げてから鳥居をくぐろうとした瞬間、私たちの目の前に緑の葉っぱが一枚はらりと落ちてくると同時に、鳥居から雨のしずくが私の頭にポタリと落ちてきました。
あれ?歓迎いただいている気がする・・?
よく来られました・・・
脳内に言葉が響きました。
詣らせていただき有り難うございます・・・!
有り難くて無我夢中で手を合わせました。
お社のそばにご神水が竹の筒から流れているのを見つけ、食事の後また来ようと夫と話をしました。
他にも荒神社、稲荷神社(フワッとやさしい雰囲気のお稲荷さんでした)稲田神社とゆっくり丁寧に参拝した後、朝食を取るため宿にいったん帰りました。
荷物を片付けて出発の準備を済ませてから再度参拝。
若い女性が3人、授与所で順番に御朱印を書いてもらっていました。
(私は御朱印は集めていません)
3人が立ち去った後、神社のパンフレットやミニ茅の輪のお守りなどを購入しようかと眺めていると。
ドドン、ドドン、ドンドンドンドン・・・
と太鼓の音が。
ご祈祷が始まった合図です。
夫と参拝するとよくご祈祷に出会います。
急いで拝殿に向かうと、宮司さんが祝詞を読み上げておられました。
いつもそうですが、ご祈祷に与ると心が清まり鎮まる気がします。
さっきの女性達は境内の散策を続けていて、太鼓の音に気がつかないようでした。
でも過ごし方は人それぞれだし、それはそれで。
私たち夫婦はこの場の雰囲気を味わおうとしばらくご祈祷の様子を眺めました。
それからご神水の流れる場所に移動して、傍らの箱にお賽銭を納めてからご神水をいただきました。
夏のさなかでも、冷たくて甘い!!
すごい、美味しい!!
ごくごくいただいて、体の中まで清まったような・・・
(このやさぐれ根性も清まればいいなあ)
小さなトカゲが水が出てくるそばの石のすき間から、頭を突き出してじっと私をガン見していたのが可笑しかったです。
まるでここの番人みたい・・・
厳かな静寂感漂う空気の中
ゆっくりとした参拝
朝の境内に流れるご祈祷の音・・・
大感謝と大満足で次の目的地に向けて出発しました。
この赤い欄干の端を渡ります。
早朝の川の景色。
そよ風が心地よかった・・・
神社の石垣の一つがハート型。
ハート石として知られているそうです。
拝殿が奥に見えます。
写真を見ていると境内の雰囲気が思い出されます。