観えたこと想うこと草子

旅と歴史をメインに少しスピリチュアルなお話を綴ります。

紀州熊野三山と奈良県玉置神社をめぐる旅 4

旅の3日目、最終日。

 

朝5時過ぎに起きて身仕舞いを済ませ、宿の外の気配に耳を澄ませながらお茶を入れて飲みました。

 

山がそばにあるので、鳥のさえずりが部屋の中まで聞こえてきます。

 

熊野本宮大社から車で5分ほどのところのゲストハウスに今回泊りました。

 

6時半に朝食を摂った後、本宮大社に再びお詣りに行くことにしました。

 

お別れのご挨拶です。

 

境内で参拝してから大斎原に向い、途中の産田社で手を合わせてから大斎原に行き、熊野川の川原に行きました。

 

今日も良い天気になりそうな気配。

 

澄んだ空気の中、山や川、空に向かい

 

今度は家族と一緒に参拝出来ますように!

 

と心の中で祈りました。

 

8時過ぎにはチェックアウトし、最期の目的地 奈良県十津川村の玉置神社を目指しました。

 

実は当初、玉置神社に行く予定にはしていませんでした。

 

玉置山の中腹に鎮座する神社で、前回ツアーバスで駐車場までの道のりの険しさを体感していたので

 

私の運転技術では絶対無理!

 

とあきらめていたのです。

 

たまたま、旅行の直前に地元のお世話になっている方から

 

「あそこならタクシー頼んで行けるんじゃない?」

 

と教わり、調べたところ十津川温泉からタクシーで行ける事が分かり、これなら行けるかも!と急遽行くことに。

 

和歌山県奈良県の県境に位置する十津川村は、熊野本宮大社がある場所から私の運転で約35分程度で到着しました。

 

予約したタクシーは午前9時に十津川村バス停駐車場で待ち合わせ。

 

少し早く着いたので、目の前を流れる翡翠色の大きな川が流れる山間の景色を眺めて過ごしました。

 

自然溢れる場所で、ぼんやりするのは大好き。

 

人より行動が遅くて、小さい頃は母親からいつも急かされていたなあ・・・

 

そんなことを思い出しているとタクシーが到着。

 

9時過ぎに出発しました。

 

玉置神社への道すがら、運転手さんからいろいろ面白いお話を聞かせていただきました。

 

せまいぐにゃぐにゃ道を慣れた運転ですいすい進みます。

 

「時間が早いから車が下りてこないけど、昼過ぎはごった返しますからね。」

 

そんなに参拝者が多いのですか?

 

「ここ5年ぐらいですかねえ。

以前はほとんど人が訪れない静かな場所だったのに。

マナーの悪い参拝客も増えましてねえ・・・困ったもんだ。

手を合わせる前に拝殿を真正面からこう、バーンと写真撮ったりね。

玉置神社を利用して商売する輩も出てきたし。」

 

なるほど

 

それにしても

 

5年前のツアー時は、玉置神社の駐車場にツアーバスと1~2台車が停まってるだけだったのにな・・・

 

急に大人気の神社になったのでしょうか。

 

神さまから見たマナーの悪い参拝客ってどうなんだろう・・・と思いました。

 

かく言う私も過去、真正面からある神社の本殿を大きく撮った直後、明らかに

 

怒られた

 

という事象がありました。

 

なので、今は拝殿を真正面から大きくではなく、斜で遠景で撮るか、全く撮らないか、です。

(下手だし)

 

神さまから見たら濃淡の差こそあれ、だれもが皆同じに見えるんじゃなかろうか・・・

 

非礼に気づいたら反省し、以降は可能な限り畏敬の念で行動する

 

これしかないのではなかろうかと、今のところ思います。

 

さて

 

神社の駐車場について、運転手さんからいただいた案内図を手に参拝に向いました。

 

遠くに山々が見える景色を横目に、深い森の中をひたすら歩きます。

 

参拝客もちらほらとおられるだけで、静かな山道が続きます。

 

前回立っていなかった幟がずらりと参道脇に並んでいたので驚きました。

 

それだけご加護をいただいた企業や個人が多いと言うことなのでしょう。

 

天気は薄日がさしてちょうど良い気候。

 

ほどなくして神社に到着。

 

御祭神

 国常立尊(くにとこたちのみこと)

 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)

 伊弉冊尊(いざなみのみこと)

 天照大御神(あまてらすおおみかみ)

 神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)

 

玉置山の頂上近く、標高1000m付近に鎮座する玉置神社は、第十代崇神天皇の時代に王城火防鎮護と悪神退散のため、 創建されたと伝えられています。

入母屋造り内陣に三社を奉祀、欅(けやき)材の堂々たる社殿です。

                    (玉置神社 HPより)

 

 

現在改修中とのことで、拝殿前の階段を上がってすぐの左に臨時の社務所が作られていました。

 

まずは作法通りに参拝して手を合わせました。

 

何だかきゅっと心が引き締まるような感じ。

 

おみくじもひゃっと背筋が伸びるような若干厳しめな内容で、

 

神さま厳しい・・・

 

と思わず心の中でつぶやきました。

 

玉置山は修験道の修行場所の一つ。

 

深い山の中に鎮座されているし、厳しめなのは致し方ないのかもしれません。

 

案内図のとおりにさらに山を登って「玉石社」へも行きました。

 

ご祭神

大巳貴命 (おおなむぢのみこと)

 

古代、神武東征以前から熊野磐座信仰の一つとして崇められてきた玉石は、 玉置神社本殿と玉置山頂上中程に鎮座します。

社殿がなくご神体の玉石に礼拝する古代の信仰様式を残しています。

玉置神社の基となったのが、この玉石社と伝えられ、玉石に宝珠や神宝を 鎮めて祈願したと伝わっています。

大峯修験道では、玉石社を聖地と崇め、本殿に先んじて礼拝するのが習わしと なっています。

                    (玉置神社HPより)

 

ありゃ、今読んで分ったけど、先に本殿から手を合わせてしまった・・・でも修験者じゃないから(今生は)

 

いいよね!

 

と胸をなで下ろしました。

 

実は玉石社へ到着する直前、左上に何ものか分らない何かの気配を感じました。

 

例えるなら、少し空いた電車に乗っていて50cm横に誰かが座ったと分るのと同じくらいに。

 

見張られている・・・・

 

と感じました。

 

しばらく様子をうかがっていると気配が消えたので、玉石社で手を合わせ、参拝の感謝を心の中で宣べました。

 

参拝後

 

しばらくその場に座って、誰も居ない深い木々の佇まいや空気を楽しみました。

 

それから

 

大きな岩の白山社にも手を合わせ、運転手さんの待つ駐車場へ戻りました。

 

「早かったですね!」

 

そ・・・そうですかね。

 

「玉石社、行かれました?」

 

ええ、行きました。

 

運転手さんが一瞬私の表情をじっと見つめてから

 

「ほな、行きましょうか。」

 

なになに?今の間は・・・と思いつつ車に乗り込み、玉置神社を後にしました。

 

その前に駐車場から見える素晴らしい山並みの景色をパチリ。

 

次、いつここへ来れるかなあ・・・!

 

と思いつつ、車窓から見える景色を名残惜しく目に焼き付けました。

 

十津川村バス駐車場で下ろしてもらい、近くの温泉にも入ってから運転手さんに教えてもらった炊き込みご飯のお店でお昼を手早く済ませ、早めに車に乗り込みました。

 

レンタカー返却場所の大和八木駅まで北上します。

 

時間内に無事返却できるか不安で、ほとんどノンストップで2時間半運転し、決められた時間の2時間前に返却出来ました。

 

手続きを終えて駅まで歩きながら

 

やったーー!!!

 

と心の中で快哉を叫びました。

 

この後

 

時間があったので、橿原神宮も参拝出来ました。

 

こうして

 

生まれて初めてのレンタカーを使っての一人旅が終わりました。

 

無事にしかも楽しく、旅が終わったことに心から感謝。

 

適当に決めたのにかかわらず、旅程が無理なく無駄なく不思議な道行きでした。

 

次はいつ来れるかなあ・・・と思いながら、広島行の新幹線に乗り込んだのでした。

 

 

 

桜が満開の川べりでしばしぼんやり・・・

 

 

玉置神社駐車場から進んで2番目の鳥居

ここからさらに歩いて本殿へ

幟旗の多さにびっくり!

 

静かで厳かな雰囲気

 

参拝後、タクシーに乗り込む前に山並みの景色をパチリ

名残を惜しみつつ帰路につきました

結局本殿も(何だか怒られそうで)撮らずじまい