西日本を襲った豪雨災害から5年。
たくさんの尊い命が奪われました。
私の住む瀬戸内海の島も被害に遭いました。
家屋や山や道路、水道設備などの被害はありましたが、人的被害はありませんでした。
あの夜、耳にしたことがないような雨音に怖くなって、外に出てどんな降りなんだろうと見上げてみました。
黒い厚い雲がまるで生きているようにごうごうとうねり、水がすき間なくまるで滝のような雨が降っていました。
天を見上げて怖い!と想ったのはその時が初めてです。
豪雨が去って放送で断水が呼びかけられ、だんだん蛇口から水が出なくなるのを見るのは本当に心細かった。
暑いさなか子供達とポリタンクをかついで順番を待ちました。
人口が少ないため、あまり待つこともなく感謝なことでした。
給水ホースから流れる水のしぶきが夏の日差しを反射してピカピカ光り、奇麗だなあと場違いに見とれておりました
常日頃の水のありがたさをこの日を迎えると思います。
水道復旧に大変な苦労をされたと後にニュースで知りました。
今思う存分水が使える状況を顧みると、心の中で手を合わせます。
当時私は仕事をしていて、船で職場まで通っていたので豪雨の翌日も通常通り出勤することが出来ましたが、仕事場はガラガラ。
陸路は通行できなくなってほとんどの人は出勤出来ていない有様。
この状態がしばらく続きました。
その間、少数の人員で通常業務を何とかこなしていきました。
広島市安芸区矢野は被害が甚大で、そこから通勤している方が来れるようになったのはさらに何日か後のことでした。
「うちは流されなかったけど、両隣が流された。」
という生々しい被害状況を聞いて背筋が凍った記憶があります。
まさか生きているうちにこんな経験をするとは。
あの日が来る度、祈りとともに平安な日常の有り難さを思います。