観えたこと想うこと草子

旅と歴史をメインに少しスピリチュアルなお話を綴ります。

ぼっち旅 奈良市へ

5月・・・なのに、真夏のようなある日

 

ぼっち旅に行ってきました。

 

行き先は奈良県奈良市。

 

東大寺や興福寺へ行ったことはあるけど、春日大社は行ったことがない。

 

唐招提寺や薬師寺も。

 

これは行かねば!

 

なんでそうなるのか、理屈も何もありません。

 

なのですが

 

突発的に心に湧いて出てくる衝動を大事にしている変わり者の私です。

 

夫と娘に

 

奈良に行ってくるよ!

泊まりになるけどいい?

 

「そりゃ・・・ええけど」

「行ってらっしゃい,お母ちゃん!」

 

と見送られて行くことに。

 

さっさと新幹線のチケットとホテルの手配を済ませ、猫の世話と最低限の家事を託して、家族に感謝しつつ出発。

 

JR奈良駅に着くと、うだるような暑さにびっくり!

 

こりゃ、暑くてたまらん・・・

 

駅からホテルまで歩き、荷物を預けてから春日大社を目指しました。

 

春日大社

神山である御蓋山(ミカサヤマ)(春日山)の麓に、奈良時代の神護景雲2年(768)、称徳天皇の勅命により武甕槌命(タケミカヅチノミコト)様、経津主命(フツヌシノミコト)様、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)様、比売神(ヒメガミ)様の御本殿が造営され御本社(大宮)として整備されました。現在、国家・国民の平和と繁栄を祈る祭が年間2200回以上斎行されています。

(春日大社HPより)

 

ホテルの方に聞いて、バスに乗ることにしました。

 

どこで降りたら良いのか・・・とグズグズ考えているうちに参道らしき場所を過ぎて、終点の本殿近くで降りました。

 

う~~~む

 

やはり人が多い・・・

 

修学旅行生に外人さんに日本人。

 

ガヤガヤと賑やかな参道を歩くと、ほどなく鳥居に到着。

 

ぴょこんと頭を下げて鳥居を通り過ぎ手を浄めてから、キョロキョロと見回すと祓戸のお社を見つけました。

 

祓戸のお社がある神社では、神域に入る折に目に見えない塵芥の類いを、こちらで手を合わせて浄めていただいてから拝殿へ向った方がいいですよ

 

と教えていただいたことがあってそれ以来の習慣です。

 

清々しい初夏の光に満ちた境内を歩くうちに拝殿に到着。

 

大勢の人で賑わっています。

 

平日ですが、結婚式の写真撮りがあって並んでいる方の笑顔がとても素敵でした。

 

そばの大きなご神木が大迫力。

 

何だか・・・

 

境内全体が若々しく力強い雰囲気・・・

 

もう少し雰囲気に浸っていたいところですが、とにかく人の波が後から後から押し寄せてきます。

 

早々に出ることにしました。

 

人の波に押し流されるようにどこか分からぬまま参道を歩きました。

 

 

途中喉が渇いたので参道脇のお店でソフトクリームを買い、歩きながらペロペロ。

 

鹿が以前来た時より若干おとなしいような・・・

 

鹿に追い回されるように歩いた記憶があります。

 

今回は私と目が合うとお辞儀をするばかりで、そばまで寄ってくることはありませんでした。

 

何も考えずにテクテク歩いていると、いつの間にか広い車道脇の歩道を歩いていることに気がつきました。

 

人が少なくなったけど、ここはどこなんだろう・・・

 

引き返せば良いものを、妙に頑固になって前へ前へと歩き続けるうちに暑さと疲れでくたびれてしまいました。

 

もう2時過ぎ。

 

途方にくれて

 

やっぱり引き返そうか・・・

 

と思っていると、停まっているタクシーが目に入りました。

 

やった!!

乗っちゃおう!

 

小走りで近づき声をかけると運転手さんがびっくりしたような表情でドアを開けてくれました。

 

「こんな所でお客さん乗せたことないんですけどねえ。」

 

何でも、息子さんからLINEが入ったので停車して連絡を取るついでに休憩もされていたとのこと。

 

唐招提寺と薬師寺に行きたいのですが、どちらがここから近いですか?

 

「唐招提寺ですよ。

薬師寺はそこからすぐですから。」

 

(字面では標準語だけど)柔らかな関西弁に気持ちが和みます。

 

涼しい車内でしばし一息つきながら、運転手さんと奈良の観光客のことなど楽しくおしゃべりしました。

 

「さ、着きました。

ここからその角を左に曲がった200m先が薬師寺です。」

 

ありがとうございました!

 

唐招提寺

唐招提寺は、南都六宗の一つである律宗の総本山です。

多くの苦難の末、来日をはたされた鑑真大和上は、東大寺で5年を過ごした後、新田部親王の旧宅地(現在の奈良市五条町)を下賜されて、天平宝字3年(759)に戒律を学ぶ人たちのための修行の道場を開きました。

「唐律招提」と名付けられ鑑真和上の私寺として始まった当初は、講堂や新田部親王の旧宅を改造した経蔵、宝蔵などがあるだけでした。

金堂は8世紀後半、鑑真和上の弟子の一人であった如宝の尽力により、完成したといわれます。

現在では、奈良時代建立の金堂、講堂が天平の息吹を伝える、貴重な伽藍となっています。

(唐招提寺HPより)

 

タクシーから降りて、入り口で拝観料を支払いせかせかと門をくぐった瞬間

 

ぴたと足が止まりました。

 

 

周囲の木々を静かに揺らす風

頭上には拡がる青空に白い雲

 

目の前に教科書に載っていたとおりの唐招提寺。

 

それより

 

この雰囲気。

 

まるで海の底にいるような静けさ。

深い瞑想をした後のような・・・

 

恐る恐る歩を進めて、金堂の仏様に手を合わせました。

 

眼前の大きなご本尊は「盧舎那仏座像」

右に「薬師如来立像」

左に「千手観音立像」

四隅に四天王像が雄々しく立っています。

 

どの仏様も

 

私の理解を遥かに超えた静けさのただ中におられるようでした。

 

それから

 

広い境内を横切って、鑑真和上の御廟へ向います。

 

古代にタイムスリップしたかのように感じさせる土塀に沿って、掃き清められた道を歩き門をくぐってきれいに苔むしたお庭の向こうにある御廟に向いました。

 

静けさがさらに深まったような雰囲気。

 

時が止まったような錯覚を覚えました。

 

手を合わせながら

 

5度の渡航失敗を乗り越えてまで仏教を伝えようとされたそのお志に、深く感謝と敬意をお伝えしました。

 

この時は

 

先にひと組のカップルがいたのですが、私が御廟に近寄ると立ち去っていき、しばらく一人きりになることが出来ました。

 

そこから鑑真和上の座像(本物では無く「御身代わり像(おみがわりぞう)」)をガラス越しに見られる場所にも行きました。

 

この頃には暑さと喉の渇きでヘロヘロになっていました。

 

持参していた水筒は、とっくに空になっています。

 

寺務所横の自動販売機に向うと、販売機の前に中学生くらいの女子が3人たむろしていました。

 

しばらく様子を見ていましたがなかなか動こうとしないので、仕方なく買うそぶりで近づくと、そのうちの1人の少女が

 

「ダッサ!」

 

と言い放って離れていきました。

 

私のことかしらん?

確かに、汗と暑さでヨレヨレの中年のおばさんだし、見かけは自分も認めるダサさだけど・・・

 

と心の中でつぶやきつつ冷たい飲み物を買って一口飲んでそばのベンチに腰掛けました。

 

先ほどの3人は

 

「ウザッ!」

「キモッ!」

「ダサッ!」

 

の二音と「ッ」と「!」だけでコミュニケーションを取りながら、すぐそばの寺務所の中に入っていきました。

 

今日は月曜日。

 

もしかしたら前日学校行事があって今日は振替休日なのでしょうか。

 

街中の賑やかな場所ではなく、拝観料を払ってまでここ深山幽谷にいるがごとくの唐招提寺で過ごすことを選ぶとは・・・

 

妙なところで感心しながら、私も寺務所に入ってみました。

 

二音女子達の姿は消えていましたが、ゆっくりと見て周り仏様の写真集とお香を一つ購入しました。

 

そして

 

もう一度金堂に行って手を合わせ目を瞑りました。

 

この溢れんばかりの慈愛と静けさと平安に満ちた空間・・・

 

ああ・・・去りがたい・・・

 

でも時計は3時をとうに過ぎています。

 

後ろ髪引かれる思いで次の目的地

 

薬師寺

 

を目指しました。